「Enzo Mari,仕事の風景」巡回展・トークイベントを開催しました　(2009/11/28)

HIDAの開発秘話や、デザイナー Enzo Mari（エンツォ・マーリ）について
紹介する「Enzo Mari, 仕事の風景」巡回展を開催しています。

28日は昼より、HIDAの開発当初からコーディネーターとして
携わっている中嶋吾氏（株式会社セスタンテ）によるトークイベントを開催しました。

土曜日のお昼過ぎにもかかわらず、たくさんのお客様がお越し下さいました。
最初にイタリアのデザインは何故こんなにも世界的に有名なのか？ その本質とは？ な ど、マーリ氏も尊敬する他のイタリア人デザイナーのエピソードも交えながら分かりやすく話されましたが、聞いているみなさんはまだ緊張した様子です。
また、ヤスハラ家具さんでもその商品を取り扱っている日本を代表する工業デザイナー 柳宗理とマーリ氏の交友関係（1980年日本でのマーリ氏の展覧会の冊子にも柳氏はメッ セージを寄せている）も披露。 マーリ氏は相当な日本通であり、同時に日本の文化も尊敬しているようです。

いよいよ、HIDAの開発秘話。
2003年の9月、飛騨高山で行われたマーリ氏の講演会を中嶋氏がコーディネートしたのがきっかけでスタートしたHIDAプロジェクト。その後6年にも及ぶ飛騨産業とマーリ氏の協働の様子を当時の記録写真やFAX、スケッチなど貴重な資料と共に話されました。
マーリ氏は最初、自然の木を使った家具作りには反対していたそうですが、日本の杉の木の現状（戦後の国策で植林されたまま林業の衰退と共に放置）を理解した途端、今度は「とことん杉の木を使ったプロジェクトを進めるぞ！」と一気に30近いアイテムの デザインを進めたそうです…
しかし、開発から発表までは幾多もの壁を乗り越えなければならなかったとのこと、山あり谷あり、そんな、臨場感のある話で、あっというまに予定時間は終了。

しかし、集まった皆さんもまだ聞き足りなさそうで、時間を延長して、HIDAのそれぞれのアイテムの具体的な開発の話をされました。
質問もたくさん出て、中嶋氏もすこしお疲れの様子。
結局、予定時間を大幅に越え、解散したのはスタートから３時間も後でした。

お忙しいお時間に集まっていただいた皆様、本当にありがとうございました。
今後ともヤスハラ家具さんとHIDAをよろしくお願いします。